遺留分減殺請求をさせないことこそ重要

af9980011800_R遺留分を害する遺言も有効


 兄弟姉妹を除く相続人には遺留分が認められています。
 例えば、配偶者と子供2人が相続人の場合には、法定相続分の2分の1が遺留分となります。したがって、配偶者は、法定相続分である2分の1に対する2分の1(つまり4分の1)、子供は、それぞれの法定相続分である4分の1に対する2分の1 (つまり8分の1)の遺留分があるわけです。

 
遺言による相続分の指定や遺贈などにより自らの遺留分を侵害された者は、遺留分減殺請求をすることができますが、遺留分減殺請求をするか否かは自由であるとされています。

 
以上のことから、遺留分を侵害するような遺言も許されないわけではなく、遺留分を有する者が遺留分減殺請求をしてきたときに、その限度で遺言が効力をもたなくなるにすぎません。例として、特定の者に全ての財産を相続させる旨を定めたことにより他の相続人の遺留分を侵害しているような遺言も可能ということです。

 そのため、 遺留分を害するような遺言をしたからといって、そのこと自体には何ら問題はありません。


遺留分を侵害しない遺言を作るのは難しい


 ところが、数ある遺言の手引本の中には、「遺留分に配慮して遺言を書きましょう」とか「遺留分を侵害しないようにする必要があります」などと書かれたも のがあります。

 
これは、一見、正しい指摘のようですが、現実的には間違った指導であると言わざるを得ません。

 たとえば、相続財産が自宅の土地・建物と僅かな預貯金であり、相続人が子供3人の場合に、この指導にしたがうと、どのような遺言になるのでしょうか。

 相続人である子供A、B、Cのそれぞれの遺留分は6分の1です(法定相続分である3分の1に対する2分の1が遺留分となるためです)。
 遺言者は、家を継いでいるAに自宅の土地・建物を相続したいと考えています。
 ところが、土地・建物以外の相続財産である預貯金ではとてもB及びCの遺留分を満たすことがで きません。

 
先ほどの手引書のような指導によれば、B及びCの遺留分を確保するためには、土地・建物を共有にしなければならなくなります。
 
でも、考えてみてください。遺言者は、Aに土地・建物を相続してもらいたいと考えて遺言を作ろうと考えたのではないでしょうか。家を継いでいるAに土地・建物の権利も引き継いでもらって、今後も家を守っていってほしい・・・・。これが遺言者の願いであった筈です。

 
ですから、遺留分を侵害するような遺言になったとしても、遺言を作ろうとした目的を達しようとすれば仕方がないことです。   

 一方、あなたが亡くなって遺言が効力を生じたときに、実際に遺留分減殺請求がなされて相続人間で紛争が生じることは、あなたの望むところではない筈です。

 では、どうしたらいいのでしょうか。


遺留分減殺されない遺言を作りましょう


 その答えは簡単です。遺留分を侵害された者が、遺留分減殺請求をしなければいいのです。

 そんな魔法のようなことができるのかって?
  もちろん、100パーセントとは言いません。人の心を縛ることはできません。でも、中央式遺言を理解していただければ、きっと納得していただけると思います。

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