私は相続税のかかるような財産は持っていませんが、それでも遺言は必要でしょうか

 現在の相続税制のもとでは、相続の発生に対し、相続税の対象となるのはわずか6%しかないと言われています。
 一方、司法統計によると、ある年に成立した遺産分割調停7987件のうち、相続財産の価額別件数は次のとおりでし た。
       1000万円以下 2469件
       5000万円以下 3465件
       1億円以下    1060件
       5億円以下     590件
       5億円超       51件
       不明        352件
 なんと、全体に対する5000万円以下の比率は74%だったのです。現在は、相続税の基礎控除は3000万円+相続人1人について600万円ですから、遺産分割調停の件数の圧倒的多数 は相続税のかからないケースではないか、ということが言えます。
 つまり、遺言を書くか書かないかということと、相続税とは全く別次元の問題なのです。そして、 相続税がかからないような場合とは、相続人で分けにくい財 産(相続人の一人が住んでいる自宅など)が相続財産の主要部分を占めているため紛争に発展する可能性があるのです。
 したがって、相続財産が少ない場合ほど付言事項などを工夫して遺言を作成し、相続紛争を回避する必要があるのです。

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